突然ですが、エビングハウスの忘却曲線をご存知ですか?
これは英単語暗記に特化した記事となっております。
英単語の暗記は、学習効率を上げるために計画的に行いたいものです。と同時に時間もかけたくないですよね。
そこで今回はエビングハウスの忘却曲線を元に効率的な復習のタイミングや、効果的な単語帳の使い方を紹介します。
この方法は、「いかに時間と労力をかけずに単語を暗記するか」に特化した方法となります。またお勧めの英語単語帳の紹介もさせていただきます。
忘却曲線を活用した復習タイミング
単語の暗記が苦手だという方はたくさんいますが、ほとんどの方は「暗記する」という行為の焦点の置く場所を間違えている可能性が高いです。
「覚える」=「思い出す」なのをきちんと認識していますか?
例えば、子供がなんだかやたら難しい言葉を知っているなんてことがありますが、あんなのはいい例です。
子供は何か新しいことを学んだ際、「それを披露する場があれば絶対披露してやろう。そして驚かせてやろう(褒めてもらおう)」と意気込むのです。
以前、子供英会話の方で講師をしている際、当時小学2年生の生徒に、
「Xから始まる単語が見つからないから、次のレッスンまでに見つけられるだけ見つけてきて!」
とお願いすると
“Xylophone(木琴)”や”X-ray(X線)”、”Xenophobia(外国人恐怖症)”まで出てきて笑ったのを覚えています。
彼らの保護者の方にお話を聞くと、何度も車の中で練習していたそうなのです。
つまり、彼らは「調べてきた単語を忘れないように思い出し続けていた」のです。
ではどのタイミングで復習するのが最適なのでしょうか?
まずは、エビングハウスの忘却曲線を知りましょう。
エビングハウスの忘却曲線とは?
エビングハウスの忘却曲線は、人が学んだ情報をどれだけの速さで忘れるかを示したものです。
具体的には、記憶した内容の多くは学習直後に急速に失われ、その後は忘れる速度が緩やかになるという傾向を表しています。
このように、このグラフで表されているのは、「どれだけの速さで人はものを忘れるか」。
結論から言うと、この曲線のタイミングで復習をすると、効果的ですよ。ということです。
人間に限らず、ほとんどの生物の脳みそは「忘れる」ようにできています。
それは自己防衛のためです。脳みそもPCのストレージと同じで、覚えるのに限度があるわけです。
PCで考えてみてください。
全てを保存していたら容量がパンパンになってしまってPCが動かなくなりますよね?
もちろんそのままにはしておきません。
”いらないもの”から捨てていくのです。
必要なものを置いておきながら、PCを快適に動かすために必要な工程なのです。
それが脳みそだとどうでしょうか?
「見たもの」「聞いたもの」「知ったもの」全てを記憶したままだと、脳がパンパンになってしまいますよね?
そうなるとどうするのか?
”いらないもの”から捨てていくのです。
あくまで脳がボス
我々が意識しなくても脳の場合は、勝手に削除していきます。
PCの場合は「どの情報を残して、どの情報を削除するのか」の選択権は我々の意思にありますが、
我々の記憶のストレージにアクセスできるのは、「脳」のみです。「脳」が判断し、削除されます。
それがどんなに我々にとって大切なものであれ。です。
ただ、脳に
「この情報は大切なんだな!」
と騙すことはできるのです。「騙す」ことさえできれば、脳は勝手に大事なストレージの一部をそのためにとっておいてくれます。=忘れない。というわけです。
忘れない暗記方法①
脳に確実に定着する(暗記する)には、「何度もそのものに触れること」がキーポイントになります。
極論、今あなたが日本語を忘れていないのは、この「何度も日本語に触れること」を着実に毎日こなしてきた結果なんです。
反対に、英単語が定着しない。というのは、それほど「何度もその英単語に触れていない」ということになります。
つまり、こまめにその情報に触れるというのが大切なのです。
具体的にいうと、朝昼晩毎日5分だけ単語の時間を設けます。これだけで結果が全く違ってくるのです。
脳は何度も目にする情報を「大切な情報」と認識するので、結果的にその単語を覚えられるということです。
忘れない暗記方法②
何度も単語帳を繰り返して使っているのに、それでも暗記できない単語はあります。その場合は、
「実際にその単語を使って文章を作ってみる」
というのがおすすめです。
どんなに短くても構いません。
また「これ本当に合ってるのかな?」なんて心配もその段階では必要ありません。
とにかく「やる」のが一番必要なステップなのです。
おすすめしない暗記方法
ゴロ合わせで覚える
絶対やめてください。
確かに”単語の意味”だけを覚えるのには有力かもしれません。ただそれをして話せるようになるか?と問われると、問答無用でNOを突き出します。
昔、私が高校生の頃、学校の先生に
「”Pretend (〜のフリをする)”は『ぷりぷりした天童さんが怒ったフリをする』で覚えましょう」
と言われ、馬鹿正直にそんなふざけたゴロ合わせで単語を暗記していきました。
後に英検のライティングセクションで”Pretend”を使う機会があったのですが、
「どう使うの?」
使い方が分からず、撃沈です。
ゴロ合わせで暗記すると、
「どんな場面で、どう使うのが自然なのか」
「自動詞なのか。他動詞なのか。」
この辺り諸々を無視して、「意味だけに」フォーカスを置いてしまうため、使い方が分からなくなってしまうのです。
ローマ字読みで覚える
最悪です。
いまだにこの方法で単語を暗記させる英会話の先生がいることに驚いているのですが、(前職の職場にもいました。)ローマ字読みと英語読みは全く別物です。
(余談ですが、中学1年生の英語のテストでローマ字のテストが出るのですが、本当にやめていただきたい。)
学生の方でよく見かけますが、”baseball”を「バセバ11」や”friend”を「フリエンド」で覚える方法です。
もう一度言います。最悪です。
書けたとしても、どうリスニングするのでしょうか?どう発音するのでしょうか?
今では、コミュニケーション能力で必要なことは、「リスニング」と「スピーキング」だというのに、スペルばかり完璧になって何の意味があるのでしょうか?
この記事をご覧になられている皆様、どうか…どうかこの方法だけはやめてください…!!
一夜漬けで覚える
無理です。
短期の記憶にしかなりません。同じ単語を10分だけ見ても、1時間見ても、忘れ方に関しては同じです。
単語にそれだけの時間を費やしても、結局三日後にはほとんど忘れてしまっているのです。
だとしたら、その間スピーキングなり、文法なりを勉強した方がまだマシなはずです。
確かに直近単語テストでは点数が取れるかもしれませんが、長期で見ると、結局忘れてしまっているので、挫折してしまう前にやめましょう。
単語帳の選び方
次に単語帳の選び方についてお話をいたします。
- 例文が載っているか
- 発音記号が載っているか(音声が聞けるか)
- 別の品詞が載っているか
以上の三つを押さえてください。
単語帳に例文は必要?
先に説明した通り、どうしても暗記できない単語は、実際に自分で文章を作ってみることが大切です。
その際、全くの0から自分の力だけで文章を作っていくのは少し心許ないし、めんどくさくてヤンなくなってしまう可能性もありますよね?
その際、単語帳の例文がそれを手助けしてくれるのです。
単語帳に発音記号は必要?
こちらも先にすでにお話ししていますが、スペルがかけても、ほとんど意味がないんです。
大切なのは、「聞けるか」と「発音できるか」です。
人間というのは不思議なもので、「自分で発音できる単語は聞き取りもできる」のです。
それも、何も発音記号だけが大切なのではありません。音声が聞けるのであれば、それで構いません。
単語帳に似た単語のリストは必要?
例えば、”Perform”[動詞]が「演じる」系の単語というふうにどうしても覚えられないとしましょう。
ただ、”Performance”[名詞]「パフォーマンス」はわかりますよね?大体イメージで大丈夫です。
その「パフォーマンスをすること」が、”Perform”だと考えると、暗記しやすくないですか?
メインの単語のほかに、別の品詞が載っていると、最高です。
おすすめの単語帳は?
以上のことから、おすすめはDistinctionという単語帳です。
先に提示しました、3つの条件を全てクリアし、さらに、復讐のタイミングまで教えてくれるという優れものなんです。
ぜひチェックしてみてください。
まとめ
- こまめに短時間で暗記し、忘却曲線に基づいたタイミングで復習を行うこと。
- 単語帳を使う際は、まず知っている単語をチェックして弾き、次に覚えるべき単語を絞り込みましょう。
- 書いて覚えるよりも、見て・聞いて・発音して覚えることが効果的です。
毎日の小さな積み重ねが、効率よく単語を定着させるカギです。
最後までご愛読いただきありがとうございました!
こちらのブログのコンセプトは
「習慣化さえできれば、何でもできる」
です。
よって、「習慣化」をベースに記事を書いておりますので、気になる方はぜひ、他の記事もチェックしてみてください!
また、英語に特化したブログに関しましては、こちらからチェック頂けます。
今後とも、Clumsy Lingoをよろしくお願いいたします。